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2008年3月15日(土)

皆さんの日本語の実力は相当のレベルだと思います。
恐らく、日本に旅行しても買い物や簡単な会話等には困らない程度でしょう。
然し、日本語を仕事に使うような上級者は、とりあえず話せるから褒めて貰える、
という段階ではなく、話に間違いがあると逆に実力がないと見られる立場なのです。
火曜日の授業では皆さんに発表をして貰いましたが、その折の私の印象によると、
そのような間違いの殆どは「不自然な省略」であるようです。
逆に「誤った言葉の遣(つか)い方」は比較的少ない様です(これは寧ろ、
実力のある人が難しい表現に積極的に挑戦している時に起こることでしょう)。
これまでの授業で気付いたことを以下に記(き)してみましたので、復習の参考にしてください。
毎日お仕事は大変だと思いますが、若い間に勉強して積み重ねておくと、
後できっと良かったと思うことでしょう。頑張ってください。

1.
文章の繋げ方が不確か(助詞や接続詞の誤った省略が多い)。

これは会話では最も重要で、かつ最も難しいことかもしれません。と言うのは、
日本人が最も注意して聴いているのは助詞や接続詞かもしれないからです
(だから間違いに気付きやすいのです)。
また一方で、皆さんは必要な助詞や接続詞を言わずに省略してしまうことが多いと思います。
これは、言い間違いを避けようとして、省略してしまうためではないかと思いますが、
必要な助詞・接続詞の省略は明確な誤りであり、極めて不自然に聞こえます。
日本語は「膠着言語」と言われますが、
単語の後ろから助詞が「膠着」(くっ付くこと)して文章を作ることが、
その特徴です。私自身の実感としても、日本人は名詞などの単語よりも、
助詞や接続詞など単語の間にある単語の使い方に、
最も頭を使っているのではないかと思います(敬語や曖昧表現も重要ですが、
これらは動詞の活用により依存するものです)。
ですから、助詞が間違っていると文の構造が全く判らなくなります。
助詞や接続詞を間違った話を聞いていると、単語の意味は判っても、
話者が何を言いたいのか判らず目を白黒することになります。
会話ではとりわけ助詞、接続詞を省略せず、また間違えないように努力して下さい。

2.
発音にも誤った省略が多い(誤り自体は少ない)

単語の発音にも省略が多すぎると思います。
まず、撥ねる音(おと)(「っ」)や延ばす音(「ー」)を省略する人が大勢います。
授業で「サンドイッチ」が「さんどいち」に聞こえたと指摘しましたが、
同様の間違いをしていた人が他にも沢山いましたよ。
何度も言っていますが、たとえば「呼気」は○○、「後期」は○○○、
「国旗」は○○○と、音の数が決まっています。
それを早口に言って曖昧にしないで下さい。
台湾の人には、早口で話せることや、
が言語能力の証だと考えている人が多いのではないでしょうか。
それも能力の一つですが、正確・確実な発音や文法を疎かにしてしまうようでは、
能力があるとは言えません。日本人でもゆっくりと話す人は居ますよ。

3.
一続きの言葉の途中で、話を切ってしまう

これは2に挙げた話と逆ですが、例えば、
「私の住んでいる所についてご紹介申し上げたいと思っております」と言う場合、
「わた」、「わたくしのすん」、「でいる」、「ところ」、「についてごしょう」、
「しょうかいし、しょうかいも(言い直し)、うしあげたいと」、
といった風に言葉を切る人が多いと思います。
1で説明したように、日本人は単語の間の助詞や接続詞等に注意して聞いています。
しかしこのように言葉の切り方が滅茶苦茶だと、
その注意が乱されてどこに助詞があるか分からなくなってしまうのです。
一気に言う言葉、すなわち一続きに読まれるべき言葉は、
中途で勝手に切って話してはいけません。

上記の例では、「わたくしの」、「すんでいる」、
「ところについて」「ごしょうかいもうしあげたいと」、「おもっております」は、
続けて読んで欲しいと思います。
また、これがきっちりとできる外国人は日本語が非常に上手いという印象を与えます。


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